大喜利・切見世

大喜利の『喜利』は、寄席らしく縁起の良い当て字をされているけれど、切見世の『切』が由来なのは明らかだ。 客席に向かってずらりと演者が並ぶ様は、まんま吉原半籬の切見世風景だ。 そんな、当たり前の風景からの連想が歴史とともに失われていく。 勿論私…

ゲームとしての人生

『弱キャラ友崎くん』を観て。 人生をゲームとして見た時、一番問題となるのは、勝利条件についてだと思う。 獲得ゴールドだと思う者も居れば、勝利の数、世界を救う、伝説のドラゴンを倒す、気の置けない伴侶を得る等プレイヤーに刷り込まれた価値観、コン…

猫好きのデバッグ

デバッグする際に、元のコードを書いた人の意図を出来るだけ汲みたいと思うタイプである。 プログラマの中には、自分のコーディングスタイルやアルゴリズムを絶対と思っていて、それから外れているものを全て「馬鹿が書いたコード」と思うタイプが居る。 そ…

酒を嗜むということ

酒が好きだ。 酒は美味いし呑んでて楽しいが、アルコールには依存性があり、中毒性がある。 永く続けるにはリスクのある趣味だ。 ので、自分なりに判断基準を設けた。 いい酒を飲む。 いい酒とは、心が豊かになる酒だ。 日本酒の場合は雑菌の繁殖を防ぐため…

高千穂遙とヲタク文化

中学の頃、初めて自分の小遣いで、何なら親の目を盗んで、特定の作者の出版物を刊行待ちしたのが高千穂遙先生だった。 クラッシャージョウから入り、(出会った時には『暗黒邪神教の洞窟』までが既刊だったような)ダーティーペア、運び屋サムと、新刊が出れば…

時間経過

時間とは、光の速度から導き出される事象のステップ数。 時間経過とはつまり積もった変化の総量。 それが僕らを鈍くする。 それが僕らを救う。 父の死を、そして目前の母の死を、それらが示す自分の死の接近を、こんなにも心を動かさずにやり過ごせるように…

傲慢

思えば、父は傲慢な人だった。 物腰のことでは無い。 言動のことでも無い。 ただ、一人で考える事を、一人生きる事を一番に置いていた。 様々な思想ギルドが若い志をオルグしようと犇いていたいた時代に生き、何度か躓いたせいかもしれない。 人に師事し盲信…

深海ガニとクジラ

人類の人口爆発、テクノロジーの指数関数的発達、よくそれらについて進化の文脈で語られるのを耳にする。 人類は特異な生物種であるとか、生物の摂理に反する生き物であるとか。 そういう、ここ200年ほどの発展を人類の、あるいは文明というものの本質に関わ…

クサい、だがそれがいい

テレビでチャイコフスキーの4番をやっていた。 やっぱりこれは大好きだ。 3楽章から4楽章の、「ためてためてどーん」(from『RED』by萩原玲二)な感じがたまらなくいいよね。 4楽章最後のテーマ復活も、くるぞ、くるぞ、くるぞ、くるぞ、ぐるぐるぐるぐるドー…

空きっ腹に酒推し

‪GorillazとSiMと電気グルーヴのまだ聴いてなかったCDをレンタルした。‬ この辺やLimp Bizkitなんかが気持ちいい。 昔はもっと事大主義的な、Massive AttackとかU2とかKing Crimsonなんかを聴いていたんだけど、歳とともにチンピラ臭のするものが好きになっ…

実写映画化キャスト

この歳まで生きて、初めて山本貴嗣氏の名作、『エルフ17』の茶花十三郎あるいは『最終教師』の茶羽顔八そのものの人間を見つけた。 ロバート秋山だ。 ついでに、ルウには橋本環奈がぴったりだ。 30年。 あの頃、まだまだ手癖だけで描いてる雑なアニメ絵の多…

歌の上手さについて

僕は退屈しやすい。 観るもの、聴くものに基本刺激を求めている。 刺激にはすぐ耐性が出来るので、激しい暴力描写とか喉を枯らした叫び声とか、プリミティブな刺激の強さは永く持たない。 結局、何らかの心の痛みを伝えてくる物に惹かれてしまう。 と言うわ…

迷走する話

ある目的があって、そのために少し変な事をしていたら、色々邪魔が入って、対応するうちどんどん話は脇道に、と見せてそこから本筋の話が始まるっていう導入部が好きなんだけど。 なかなかうまくいかん。