傲慢

思えば、父は傲慢な人だった。

 

物腰のことでは無い。

言動のことでも無い。

 

ただ、一人で考える事を、一人生きる事を一番に置いていた。

様々な思想ギルドが若い志をオルグしようと犇いていたいた時代に生き、何度か躓いたせいかもしれない。

人に師事し盲信する事を嫌い、自らの道を自ら決められるだけの知見を養う事を第一に思っていた。

 

そして、半ば隠者のような人生を生きた。

 

僕も、その性格を引き継いでいる。

自分を保つことを第一に考え、人から離れてしまう。

踏み出さねば。

城の中に大事な自分を仕舞い込むのではなく、汚されるのを覚悟して、自分を纏って街に出よう。

 

『今はまだ前夜だ。差し伸べられる善意と真の愛を全て受け入れよう。黎明とともに僕たちは、燃え上がる忍辱で武装して、輝く街々に這入っていこう。』